お知らせ

コロナワクチン接種と免疫について

 最近通院患者様からコロナワクチン接種の可否について問い合わせが多くなっております。基本的に、急性の疾患(現在風邪を引いている、帯状疱疹など発症している)や過去にアナフィラキシーを起こした人以外の方について当院通院中の方は接種可能と思われます。薬の飲み合わせなどについても特段問題ないと考えます。

 ここからは私見です。コロナワクチンについて重症化予防には効果があるとされておりますが、感染予防についてはデルタ株にて低下傾向にあるというデータがでてきており、ワクチンでの集団免疫の確立は困難になりつつあります。従来と話しが変わってきております。抗体価も時間とともに低下するデータもでてきており、イスラエルなどワクチンを先に打った国では3度目のワクチン接種が開始されております。

 ワクチン接種について感染予防効果は低下し集団免疫が困難になる一方、重症化予防にはいまだ効果的という点からいうと、65歳以上の高齢者、40歳以上の持病持ち(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喘息、喫煙者、担癌患者)以外の方では積極的なワクチン接種の意味が薄らぎつつあります。接種のメリット・デメリットを慎重に検討の上、自分自身で判断して接種された方がいいかなと思います。

 ただしどの年代でも全員に共通して有効なのは自己の免疫力の強化です。TVやネットニュースではソーシャルディスタンス、マスク、換気などの環境面の問題やイベルメクチン、抗体カクテル療法などの治療方法については様々な議論がありますが自己の免疫力を上げることへの議論はワクチン以外皆無に等しいです。数値化ができないことで論点になりにくいのでしょう。ただし、クラスターが起こった場所でも感染する人、しない人がおり、宿主側の免疫力・抵抗力は非常に重要な要素と考えらます。

 今後コロナウイルスがどんな変異をしようとも自己の免疫で制御できると考えれば、ワクチンの接種ができない! 薬が効かない! などと恐れることは少なくなると思います。過剰な不安感は免疫力に影響するので注意が必要です。人間の自然治癒力は非常に大きいので、医療ばかりでなく自分の力を信じることも大事です。

 当院は心療内科ですが、基本的な生活習慣やバランスのよい食事、適度な運動の有無が心や脳の問題に大きく関わっていることは日々実感しております。単なる寝不足やゲームのやりすぎ、偏った食事内容、酒の飲みすぎなどがうつ病の原因だったりします。過去のお知らせにも書いた内容ですが、免疫力を上げるまたは保つために必要な配慮を下記に箇条書きにするので参照ください。親が子供にいうような当たり前なことなのですが、意外とできていない方が多いですね。

・無理しないこと。

・よく眠ること。夜更かししないこと。

・バランスのいい食事を心がけること。食べ過ぎないこと。たまに断食すること。

・適正体重を維持すること(BMI18以上25未満)

・腸活をして便秘を予防すること。

・よく噛むこと。一口30回以上。

・適度な運動をすること。散歩・ストレッチ程度でよい。

・日の光を1日30分程度浴びること(真夏は10分程度でもよい)。

・よく笑うこと。嫌なことは忘れること。

・余計なストレスを溜めないこと。受け流すこと。

・むやみに怒らないこと。

・歯磨き、歯石除去をしっかりやって口腔内を清潔に保つこと。

・鼻うがいをすること。

・毎日お風呂に入ること。

・お酒は控えめにすること。週3日以上は休肝日とすること。

・喫煙しないこと。

・からだを冷やさないこと。

・サウナでサ活をすること。

不眠症とアルコール

 最近、様々な理由(生活習慣、仕事のstress)で不眠になっている方が多くおられます。世の中にはその不眠に対してアルコールの力を借りている方が非常に多くおられます。

 先日もアルコール飲酒後に車を運転して小学生の登校班に突っ込んでしまうといった大変痛ましい事故がございました。

 当院では集団精神療法は行っておらずアルコール依存症の治療自体は行っておりませんが、睡眠薬代わりに飲酒している方については是非とも対応していきたいと考えております。

 特に当院は立地上、横浜市の野毛地区にあり周囲は飲食・飲み屋街であり、飲食関係の自営業者が沢山おられます。飲み屋では特に目の前にお酒があるためつい気軽に「酒のんで寝る」といった習慣が身についている方が多いと思われます。

 私自身も不眠がありますのでよく理解できますが、不眠というは非常にきつい症状であり様々な精神疾患やアルコール依存・乱用の入り口になるものです。

 当院の予約はWeb、電話で2週間後の枠から対応しておりますが、「不眠のみ」の方については基本早めのご予約で対応させて頂きます。 診療時間内に電話でご相談下さい。

 よろしくお願い申し上げます。

休職に関する経済的問題への対応

 うつ状態により仕事の継続が困難になり休職が必要な方が多くいらっしゃいます。休職に際して皆様が気にされるのは経済的な問題です。診察の中でも質問されることが多いため、ここで簡単に経済的な問題への対応方法についてまとめます(当院のHPの「不適応・ストレス」の中でも同様の内容のものがございます)。

① 傷病手当

 休職された方には社会保険より「傷病手当」の支給がございます。給与の2/3が給付されます。多くの会社では毎月の請求となることが多いですが、一部の会社ではまとめて請求するところもあります。休職後に、会社の総務部に申請して頂ければ、「傷病手当金申請書」を渡されます(または自宅に送付されます)。その中にクリニックで記入が必要な「診断書(下の図参照)」がありますのでそれをクリニックへ持参ください。また診断書は診察日までの期間でしか作成できません。例えば4月25日が診察日であれば4月25日までの期間でしか作成できません。毎月の申請と考えると月初に前月分の診断書を作成することが多いです。また診断書の作成には通院が必須ですのできちんと通院して下さい。月2~4回の通院となることが多いです。支給開始日から最大1年6か月まで支給されます。

 また同病名で複数回申請することは基本的にはできませんのでご注意下さい。

 また休職後に退職された場合も、支給日から1年6か月までは支給されます。休職せずに退職されると傷病手当は支給されません。退職前に休職期間(4日以上)があり、傷病手当の支給を受け始めることが条件となります。退職後は各企業ではなく、保険組合に直接請求することになります。また退職後の傷病手当支給については、継続して社会保険に1年以上加入されていた方に限ります。転職された場合には、前の会社と今の会社通算で1年以上加入された方に限ります(切れ目がないことが重要です)。

 診断書の作成費用は1100円ですが、保険適応になりますので自費としてはその3割の支払いになります。即日作成致します

② 失業手当

 退職後については雇用保険による失業手当の支給がございます。傷病手当の期間が切れた後に給付されます。精神障害者手帳を所持しているか管轄のハローワークに「主治医意見書(下の図参照)」を提出することで「就職困難者」とされ、失業手当の受給期間が早まり受給期間が延長されます(個々のケースで異なる場合もあるため詳細は管轄のハローワークに相談する方がいいと思われます)。

 意見書の作成費用は当院では自費で3300円です。即日作成致します

③ 自立支援制度

 保険診療は通常自己負担が3割ですが、心療内科・精神科に通院される場合に自己負担が1割になる制度があります(また年収によっては支払い上限額も決まっております)。心療内科に関連した薬にも1割負担が適用されますので比較的通院が長引きそうな方は利用された方がいいと思います。

 診断書について当院で作成し、住民票の住所地の自治体へ提出することが必要になります。診断書の作成費用は自費で3300円となります。作成には1週間必要です