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ミソフォニア(misophonia)について

 ミソフォニアmisophoniaは音嫌悪症といわれ、特定の音に対する強い否定的感情(怒り・嫌悪)と不快な身体的反応を示す疾患です。当院の外来でもたびたび遭遇する疾患で、簡単にまとめたいと思います。特定の音に対する不快感情のため、日常の特定の場面や状況で、生活することそのものが困難になり受診につながることがあります。

他人の咀嚼音が不快な理由は音嫌悪症の可能性が高い - ナゾロジー さん


 具体的には、家庭内では嫌いな家族(例えば父親)が出す咀嚼音や生活音であったり、学校では友人が出す高い声であったり、職場では人が叩くタイピングの音であったりケースにより様々です。強い不快感情や併発する身体症状(頭痛・吐き気・めまい等)のため不登校や出社困難になることもあります。

 性別では女性に多く、患者さんの平均年齢は35歳程度といわれておりますが、発症は思春期に多いとされております。

 原因は、先天的というよりは後天的であり、感覚(聴覚)がトラウマと化したものといわれております。例えば自分の非常に嫌いな人がいて、その人がたびたび出す音や声に長期間、理不尽に晒され我慢しつづけた結果、音や声がトラウマとして脳に傷が残り「特定の音⇒不快感情」という神経回路ができてしまうことが背景にあるといわれております。

 強迫性障害、うつ病、ADHDなどの精神疾患や気管支喘息などの身体疾患に合併しやすいといわれております。

 治療としては音そのものを避ければいいわけですが、日常に溢れた生活音であったりすると耳栓やノイズキャンセリングも上手く利用できず生活そのものに支障がでます。また音そのものの問題ではなく音が媒介する嫌悪感が治療のターゲットといわれております。


 薬物療法としてSSRIを使用することがありますが、治療としては認知行動療法などの心理療法が有効とされております。トラウマが強い場合はトラウマに焦点を当てた身体志向の心理療法も併用することが望ましいです。